犬のお骨で触れた特徴の多くが、同じ哺乳類ネコ目である猫科にも当てはまりますが、もちろん違った特徴もあります。猫のお骨は約240個程。犬に比べると少なめです。別はさまざまで、体格差でも大型猫と標準猫とあり、大型猫の場合体重が10キロを超える個体もいます。ノルウェージャンフォレストキャット、メインクーン、ソマリなどが有名です。標準猫でも、洋猫、日本猫、短毛種、長毛種などありますが、猫の場合は犬に比べて種別による骨格差はあまり大きくはありません。猫は犬の頭骨に比べて一律、卵型で丸みの強い形をしています。卵型は外からの衝撃に強い形状なので、頭骨の薄さが同じ2ミリであっても、チワワやトイプードル、ヨークシャーなどに比べ頭頂部の割れが少なく綺麗に残ることが多いです。アメリカンショートヘアなどは、原種に近い程頭骨が大きく鼻が低い特徴があったりします。
尾骨は長さにもよりますが、根元から先端までのお骨の流れが大変美しく、カギ尻尾の場合はお骨の形状も特徴が出るのでご家族様には生前の面影を感じやすい部分です。
指骨は、末節骨の形状が非常に特徴的で、猫の“爪を出し入れできる“仕組みはこの薄い末節骨の形状にあります。
猫の爪にそった形をしているので、初めて収骨されるご家族様も見ただけで指の先だと分かることが多いです
骨盤は哺乳類の特徴通り、左右対称の大ぶりなお骨です。中心部分で繋がっていますが、この部分は薄く繊細な為左右ふたつに割れることは珍しくありません。
肩甲骨は生前、背中側にあるふたつ並んだコツコツしたお骨で、背中を撫でる時に手に触れることも多いです。丸みの強い半月型をしています。猫の種類の中には、スコティッシュフォールドなど意図的な骨の奇形を伴う掛け合わせで繁殖されている種類があります。この場合骨や軟骨の異常を伴う病気を発症するケースが非常に多く、骨自体が変形し脆くなっている為、標準的な猫の比べてお骨は綺麗に残らないことがほとんどです。